スマブラ学研鑽所ノート

〜何もしないなら帰れ〜

若い読者のためのなろう作品

昨今、「若者の読書離れ」という言葉をよく耳にすると思う。しかし、実は高校生の読書冊数は横ばい。小中学生の読書冊数に至ってはV字回復しているのということをご存知だろうか。

その一端を担っているのがいわゆるライトノベルと言われる作品群である。しかし世の中は盛者必衰、最近ではweb投稿サイト「小説家になろう」や「カクヨム」、「アルファポリス」などの台頭によって「なろう系」といわれる作品たちが文壇を肩で風を切って歩いているという新時代がもうすでに始まっているんだよね(関暁夫)。

 

今回、どうせ読むなら王道作品を知っとかなきゃ。と謎の強迫観念に襲われがちの面倒臭いオタクの為に「なろう系」と呼ばれる作品の中から特に「小説家になろう」発の代表的な作品たちをいくつかピックアップして紹介したいと思います。(リゼロはなんとなく省きます)

 

 

 

 

1.『ログ・ホライズン橙乃ままれ(なろう初投稿20104月。現在は更新停止)

 

あらすじ

物語は(作中の現実世界で)人気MMORPGエルダー・テイル」の有名プレイヤー城鐘恵が、自身のプレイヤーキャラクターである冒険者シロエの姿で、エルダー・テイルに登場する冒険者の街アキバにいることに気づくところから始まる。同じように、全世界数十万人、日本人だけでおよそ3万人のプレイヤーが冒険者となるが、ゲームで手に入れた強大な力は、法のない世界で混乱と無秩序をまねく。この世界がゲームの設定に酷似していても異世界であり、自分たちがよそ者であることを理解したシロエは、秩序の回復や、大地人と呼ばれるこの世界の住民との共存、地球世界への帰還の方法を模索していく。(Wikipediaから引用)

 

[ちぐ的ワンポイント解説]

いきなり『ログ・ホライズン』かよ?チョッパリらしいな。と思ったチョッパリをどつき隊の皆さん。ちょっと待っていただきたい。

この『ログ・ホライズン』という作品。「なろう作品」にとって極めて重要な作品であることを切に訴えたい。なんといってもなろう発最初のアニメ化作品のである。いわばアニメなろう系界のバハー・アッラーといったところか。

内容自体もキャラ良し設定良しの良作であり。特にアニメ版では中田譲治が語尾ににゃんをつけて喋るファンには垂涎モノの一作となっているんだにゃん。

しかしながらこの作品がアニメ化する一年程前、ゲームの中に囚われるという設定が全く同じの(現在ではよくあるパターンの一つなのだが)『ソードアートオンライン』が爆発的なヒットを飛ばし、『ログ・ホライズン』は二番煎じの焼き回し的な評価に落ち着いてしまった。そんなことないんだがにゃん。

 

 

 

 

2.『無職転生 異世界行ったら本気だす〜』理不尽な孫の手(なろう初投稿201211月)

 

あらすじ

現代日本に暮らす20年近く引きこもる34歳無職の主人公は、親が死去したのに伴い兄弟に見限られて家を追い出されてしまう。家を出た後、トラックに轢かれかけた高校生3人を助けようとして事故死してしまう。

ところが目が覚めた時、彼は赤ん坊になっていた。そして剣や魔法を目の当たりにし、異世界に転生したことに気づく。ルーデウス・グレイラットに転生した主人公は前世での後悔を振り返り、魔法を覚え、家族を大事にし、懸命に生きて、前世のトラウマを乗り越えて成長していく。(Wikipediaより引用)

 

[ちぐ的ワンポイント解説]

言わずと知れたなろう系の代名詞、パイオニア、金字塔。最近ではアニメの作画があまりにも良いと話題になったこともこの作品を著名にした。

201310月から20192月に『転生したらスライムだった件』に席を譲るまで5年以上に渡って「小説家になろう」の累計ランキング1位に君臨していたその看板は伊達ではなく、主人公ルーデウスの生まれてから死ぬまでの人生を見事に描ききった本作は、バルザックの『人間喜劇』のようなスケール感で読み応えが抜群である。

難点として『灼眼のシャナ』などが流行っていた先の時代の作品なのでノリが若干生理的に受け入れ難いというかストレートに言うと気持ち悪いと感じる人がいるかもしれない。

個人的に小さい頃のエリスがにゃんにゃんいってるのが可愛いんだにゃん(暗黒微笑)

 

 

 

 

 

3.『盾の勇者の成り上がりアネコユサギ(なろう初投稿201210月)

 

あらすじ

図書館で四聖勇者の伝説が書かれた本を手に取った岩谷尚文は、本に記されていた勇者の一人「盾の勇者」として見知らぬ異世界に召喚される。異世界の王国「メルロマルク」に召喚された尚文は、彼と共に召喚されていた天木錬川澄樹北村元康と出会う。魔法や勇者が存在するこの世界では、次元の亀裂から湧き出す波が襲来する深刻な「厄災の波」が人々を襲っていた。この波から世界を守る勇者として召喚された尚文たちは重大な使命を与えられ、まずはそれぞれの武器を鍛えるために供を連れて旅をすることとなる。だが、尚文の武器として与えられた盾では攻撃ができず、誰からも人気がないこともあり、彼の供を希望したのは女従者のマインだけであった。ほかの勇者を見返してやろうとマインと二人で旅立った尚文だったが、与えられた盾以外の武器を装備することができず、魔物と戦うことすら困難だった。それでも自分に寄り添ってくれるマインに感謝しながら宿に泊まった尚文だったが、彼女に裏切られ全財産を盗まれる。さらにいきなり兵士たちに捕らえられた尚文は、マインのウソの証言によって婦女暴行の冤罪(までかけられてしまう。冒険3日目にして裏切りにあった尚文は、国王や錬たちに糾弾されすべてを失ったことに絶望し、誰も信じることができなくなる。意気消沈しながらも生き抜くために一人で旅立った尚文はラフタリアに出会い、奴隷商人から彼女を引き取る。こうして尚文は、パーティの攻撃役として迎えたラフタリアと共に、次の波に立ち向かうべく二人で新たな旅を始める。

 

あらすじこれだけ長いな。

 

[ちぐ的ワンポイント解説]

AV女優のうららか麗女史にTwitter上で「今週の盾の勇者の成り上がりなんだよこれ。道徳アニメ見てんじゃねーんだよこちとら」(うろ覚え)と呂布カルマを彷彿とさせる強烈なパンチラインを喰らっていたことがあまりにも有名ななろう黎明期の名作。

 

マインが最後まで関わってきすぎて読みながらもうええわお前!!ってなった記憶。

『槍の勇者のやり直し』という外伝もなかなか面白い。(ただ長い)

 

正直うららか麗の件が書きたくて『盾の勇者』チョイスしたのでもう全然いいわ 言う事無ぇわ。やっぱこいつ強ぇわもう。 強い。

 

 

 

 

 

 

4.『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしましたざっぽん(なろう初投稿201710月)

 

あらすじ

生まれつき与えられた「加護」が大きな意味を持つ世界。「導き手」の加護を持つギデオンは幼少期から目覚ましい活躍を見せ、「勇者」の加護を持つ妹のルーティと共に魔王軍を倒すための旅に出る。しかし「導き手」は初期レベルが高いのみであるため、次第にギデオンの戦闘力は勇者パーティーの中で見劣りするようになる。そしてメンバーの賢者アレスから「君は真の仲間じゃない」と告げられ、皆に相談もせずこっそりパーティーを去った。その後、パーティーを追い出されたと勝手に思い込み、近くの町で1ヶ月ほど慣れない酒に逃げ、飲んだくれた日々を送っていた。

気合を入れ直し旅に出て辺境の地ゾルタンに流れ着いたギデオンはレッドと名を変え、「妹のことは妹より弱い俺が心配しても仕方がない」と開き直り、実力を隠し薬草採取専門の冒険者として生活していた。念願の薬草店を開業した矢先、かつて共闘した冒険者にしてお姫様のリットが訪れる。押しかけ気味に同居を宣言したリットと共に、レッドのスローライフが始まった。

(ウィキ引用)

 

 

[ちぐ的ワンポイント解説]

この作品を語らずになろうを語れない一作。

良いか悪いかなろう系の流れを変えてしまった作品。なろう界の田山花袋『蒲団』。(日本文学は『蒲団』発表後なんか知らんが私生活を赤裸々に語る人がいっぱいいる謎の派閥『自然主義』が文壇に蔓延るようになった。)

所謂「追放系」の元祖。この後「追放系ざまぁ系」「もう遅い系」等、様々な変容を遂げながら一大ムーブメントを巻き起こした。

 

一時期はほんまに追放系が蔓延ってて『昨今のなろう系作品に物申したい件』みたいなお気持ち表明的な謎ポエムみたいなのが投稿されたり、『なろう読者の質が下がりすぎてる件』みたいな読者の質が高かった時代なんかあったか?と小首を傾げたくなるようなカウンターお気持ち表明が投稿されたり、しまいにゃオカマの美学みがく始末で五胡十六国時代もかくやと言わんばかりの混沌とした時代になってた。

 

 

 

 

 

5.『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった山口悟(なろう初投稿20157月)

 

あらすじ

剣と魔法の中世ヨーロッパ風のとある世界。クラエス公爵家の一人娘で8歳になるカタリナ・クラエスは、その家柄と親の溺愛から我儘かつ高慢な性格であった。ある日、父に連れられ王宮を訪れた際、同い年で整った顔立ちの第三王子ジオルド・スティアートに一目惚れし、彼にベタベタと付きまとうが、その際に転倒して額を強打する。その瞬間、カタリナは前世の記憶が蘇り、自分が高校時代に交通事故で亡くなったオタク女子高生であると知る。さらには、この世界が、事故死の遠因となった乙女ゲームFORTUNELOVER』の世界かつ、自分が転生したカタリナはゲームの敵役である悪役令嬢だと気づく。ゲームのカタリナはジオルドの婚約者で、主人公を邪魔する存在であり、最終的に「国外追放」か最悪「死亡」する結末であった。

(うぃき)

 

[ちぐ的ワンポイント解説]

前述の「追放系」みたいなジャンルが「なろう系」にはいろいろあるのだけれど女性向けでこれまた一大ムーブメントを起こした「悪役令嬢転生系」の代表的な一作。略称「はめふら」。

底抜けに明るい作風で勘違い系というコメディチックな本作であるが、後半ではシリアスな展開もある王道ストーリー。

 

個人的になろうは女性向けの方が面白い。「悪役令嬢転生系」なら『公爵令嬢の嗜み』とかガチで面白いから一読の価値あり。

 

 

おわりに

こんなの書いててたらもう休日もおわりっすよ() あ~あ、社会人の辛いとこね、これ

 

たまの休日をなろうを読みながらゆっくり過ごすのも良いのではないでしょうか?それではよい休日を。

 

NO なろう NO LIFE